ベースボール・マガジン社 (2013-12-26)
優勝記念号として発売されるはずだったムック。本日読み終わりました。
各選手(全選手?)へのインタビューや評論記事を中心に、2013シーズンを振り返るムックです。
記者は、東京中日スポーツ荒川さんを中心に、
細部についてなども含めてはマリサポにおなじみの藤井さん、
他にスポーツニッポン垣内さんといった番記者さんの手によるものでした。
ひとりじゃないのは偏らなくて良いですねぇ。
インタビューや選手間の対談(学×カンペー、小林×中町)、各試合寸評もある記録集も充実。
個人的にはOB水沼さんのシーズンレビューが読めたのが良かったです。
以下、気になったところを抜粋。
みなさんもぜひ書店でお手元に。
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俊輔:今季の攻撃の基本(やり直し、ボールを下げることを厭わない)について
「イタリアの下位のチームはボールを下げると、すごいブーイングがくるんだよね。〜
だから、セルティックでボールを下げた時に拍手が沸いた時にはちょっと感動した。
このサッカーをやっていいんだって。」
俊輔:「キャプテン像」について
「まぁ見ててよ。みんなキャプテンってこうあるべきだ、みたいなものを固定観念で持ち過ぎだと思うよ。」
中澤:「プロ」について
「どれだけいろんなことを諦めてきたか。
でも、その対価で人よりいいお金をもらって、好きなことができる。それはどっちを取るかです。」
中澤:来年以降のマリノスのスタイルについて
「大事なのは『組織+個』だと思います。これが『個+組織』になってはいけない。
特に攻撃面は特定の選手たちに依存してしまった。その選手が押さえられたり欠場すると、どうしてもチーム力が落ちてしまう。」
「03,04年のときに岡田さんがつくったチームはしっかりとした組織力があって、その次に高い個人能力があった。だから連覇を成し遂げられたわけです。」
勇蔵:中澤の偉大さについて
「例えば今年はファビオを組む機会も多かったけど、感覚的に違う部分もあって、そこに合わせないといけなくて苦労した。
でもボンバーは何もなかったかのようにファビオと組める。」
富澤:試合後のコンディションについて
「試合が終わると、肉体ではなく、目や首がすごく疲れるんです」
その理由はピッチ全体を見渡し、さらに状況判断を早くするため常時、首を振りながら目を凝らしているから。
富澤:ヴェルディでの足下の技術に着いて
「ヴェルディでやっていたけど、足下は教えられたことではなく、あのクラブだと当たり前のことだった。
ディフェンダーでも、逆を取ってやろうとか普通に考えていたからね。」
齋藤:日吉での話
「日吉とかに行くと、カンペーさんのファンがいたりします。
いかちい(厳つい)し、そんな格好してるから目立つんですよ。日吉のヤンキーだから(笑)」
小林:自己分析
「自分のダメなところは理屈っぽいところ。良いところは物事をロジカルに考えられるところ」
「(今季は)正直、自分のサイドを制圧された試合はほとんどなかった。」
「去年とマックス値のプレーは変わっていないと思うけど、そういう回数が増えて、波が減った」
「雰囲気を出すボランチ(中町)と、アーティスティックなサイドバック(笑)」
ドゥトラ:直樹の追悼試合のエピソード
一昨年、ともに連覇を味わった故松田直樹氏の追悼試合に、所属するサンタクルスFCにはウソをついてまで参加した
OB水沼貴史が見た2013年版・横浜FM
「あとは樋口監督の手腕を称えるべきでしょう。
あれだけのメンバーをそろえると、「俺に付いてこい」というやり方では失敗したかもしれませんが、
良い距離をとって選手の主張も聞きながら、うまくチームをコントロールしていました。」
コラム「暗黒の9年間を抜けて」
経営の苦しさはJリーグ全クラブ共通の課題だが、横浜FMの債務超過は昨年度の決算で約16億7000万円と、
Jリーグクラブで群を抜いて巨額となってしまった。
すでにJリーグでは債務の返済はクラブ単独では無理と判断し、
事実上の親会社である日産自動車が弁済するということで話をしているという。
巻末コラム
13年のF・マリノスには「自覚」があった。ある意味、チームメイトがようやく「中村俊輔」から自立し始めた年だったと思う。
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また13年のF・マリノスには「覚悟」があった。それは中澤佑二の姿から感じ取れた。